ガス溶接技能講習 学科の練習問題26問(解説・根拠つき)
ガス溶接技能講習の学科試験は、「ガス溶接等の業務のために使用する設備の構造及び取扱いの方法に関する知識」(4時間)「ガス溶接等の業務のために使用する可燃性ガス及び酸素に関する知識」(3時間)「関係法令」(1時間)の3科目です(ガス溶接技能講習規程 昭和47年労働省告示第110号)。合格の基準は告示に書かれていないので、受ける講習機関で確かめてください。
このページの問題は、法令・告示や厚生労働省の資料などをもとに作った練習問題で、実際の試験問題ではありません。根拠は2026年10月28日に確かめています。
学科試験の科目と時間は?
学科講習は3科目・合計8時間です。ガス溶接技能講習の規程に、科目を免除する定めはありません。受講する人は3科目すべてを学びます。
| 科目(告示の名前) | 時間 | このページの問題 |
|---|---|---|
| ガス溶接等の業務のために使用する設備の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 4時間 | 11問 |
| ガス溶接等の業務のために使用する可燃性ガス及び酸素に関する知識 | 3時間 | 9問 |
| 関係法令 | 1時間 | 6問 |
合格の基準は受講する講習所の案内で確かめてください。科目ごとの勉強の順番は学科試験の3科目と出やすいところにまとめています。
選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。最後に正解数が出ます。
各問題の「答えと解説」を開くと、正解と解説、根拠(条文や資料)が見られます。
設備の構造と取扱いの問題(11問)
問1ガス溶接・切断の機器一式のうち、圧力調整器やホースに取り付けて、炎がホースや容器の方へ戻ってくるのを止める器具はどれか。
- 乾式安全器
- 転倒防止用のチェーン
- ワンタッチ式の継手
- 高圧側の圧力計
答えと解説
正解:1 乾式安全器
炎が吹管やホースの中へ入り込む逆火を止めるのが安全器(逆火防止装置)で、補助教材の機器一式の図では、酸素用・燃料ガス用の乾式安全器が圧力調整器とホースの間に描かれています。転倒防止用のチェーンは容器が倒れないように固定するものです。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.2.1 ガス溶接・切断に用いられる機器(機器一式の図)(p.9)/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.2.4 圧力調整器及び安全器(安全器)(p.16)
問2ガス切断で、切り始める前に母材を予熱する炎を作るとき、低圧用の切断器で開いておくバルブの組合せとして、正しいものはどれか。
- 燃料ガスバルブと切断酸素バルブ
- 予熱酸素バルブと切断酸素バルブ
- 燃料ガス・予熱酸素・切断酸素の3つ
- 燃料ガスバルブと予熱酸素バルブ
答えと解説
正解:4 燃料ガスバルブと予熱酸素バルブ
予熱炎は、燃料ガスバルブを開いて点火し、予熱酸素バルブを開いて調整した炎です。母材が赤くなるまで切断酸素バルブは閉じたままにし、赤熱してから切断酸素バルブを開いて酸素を噴き出させ、母材を酸化させながら切り進めます。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.2.2 トーチ(ガス切断用の切断機・低圧用切断器の図)(p.11)/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.3.4 溶接器等(2)点火及び炎の調整(p.30)/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.3.4 溶接器等(3)溶接及び切断(切断)①・②(p.32)
問3アセチレン用の火口でLPG(液化石油ガス)を燃やしたときに起こりやすいこととして、正しいものはどれか。
- 火口の中まで炎が戻り、逆火が起きやすくなる
- 予熱炎が火口から離れたり、炎が消えたりする
- 白心が長く伸びて、母材を突き抜けてしまう
- 炎の温度が上がりすぎて、火口の先が溶ける
答えと解説
正解:2 予熱炎が火口から離れたり、炎が消えたりする
アセチレン用の火口は、燃焼速度の速いアセチレンに合わせて、ガスが燃焼速度より速く噴き出すように作られています。燃焼速度の遅いLPGをこの火口で使うと、予熱炎が火口から離れたり、炎が消えるブローアウトが起きたりします。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.2.3 火口(可燃性ガスの種類を誤ったときの危険性)(p.12)
問4酸素用の圧力調整器の取扱いとして、正しいものはどれか。
- 注油してはならず、油の付いた手袋でも扱わない
- ねじの動きをよくするため、グリースを薄く塗る
- 汚れは、油を含ませた布でよく拭き取っておく
- 動きが悪くなったら、調整ハンドルに油を差す
答えと解説
正解:1 注油してはならず、油の付いた手袋でも扱わない
酸素用の圧力調整器には注油してはなりません。酸素は物が燃えるのを助けるため、少しの油でも酸素の通り道に付くと激しく燃えるおそれがあります。調整器のどこにも油やグリースを付けず、油の付いた手や手袋で触れないことも求められています。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.2.4 圧力調整器及び安全器(酸素用圧力調整器)(p.15)/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.3.3 圧力調整器(3)圧力調整器使用上の注意 ②(p.27)
問5圧力調整器を取り付けたあと、接続部からのガス漏れを調べる方法として、正しいものはどれか。
- においをかいで、ガスのにおいがしなければよい
- ライターの火を近づけ、炎がゆれないかを確かめる
- 石けん水を塗り、2方向以上から泡が出ないかを見る
- 手のひらを当てて、風を感じなければ漏れていない
答えと解説
正解:3 石けん水を塗り、2方向以上から泡が出ないかを見る
接続部に石けん水などを塗り、少なくとも2方向から目で見て泡が出ていないことを確かめます。火を近づけて調べるのは、漏れたガスに引火して爆発・火災になるおそれがあり、行ってはなりません。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.3.3 圧力調整器(1)圧力調整器の取付け ⑥(p.26)
問6溶接・切断用のゴムホースで、酸素用のホースの外面の色として、正しいものはどれか。
- 黒
- 赤
- オレンジ
- 青
答えと解説
正解:4 青
JIS K 6333では、酸素用のホース(記号OXY)の外面は青、アセチレンなどの燃料ガス用(記号ACE)は赤、LPGや天然ガス用(記号LMN)はオレンジとされています。酸素の容器は黒色なので、容器の色と取り違えないようにします。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.2.5 溶接用ホース(ガスの種類の記号及び色識別の表)(p.17)/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.3.4 溶接器等(1)取付け ④(p.28)
問7高圧ガスの容器の塗色で、酸素ガスの容器の色として、正しいものはどれか。
- 青色
- 緑色
- 黒色
- 赤色
答えと解説
正解:3 黒色
容器保安規則第10条第1項第1号で、酸素ガスの容器は黒色と定められています。酸素用のホースは青なので、取り違えないようにします。緑色は液化炭酸ガス、赤色は水素ガスの容器の色です。
根拠:容器保安規則 第10条第1項第1号/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.2.6 各種ガス容器(1)各種ガス容器の表示と色(ガス容器の色の表)(p.18)
問8アセチレン容器の中のつくりについての説明として、正しいものはどれか。
- 容器の中を水で満たし、その水にアセチレンを溶かし込んで詰めている
- マスと呼ばれる固体にしみ込ませたアセトンなどに、アセチレンを溶かし込んでいる
- ほかのガスの容器と同じく、アセチレンを高い圧力の気体のまま詰めている
- アセチレンを冷やして液体にし、容器の下半分に液体のままためている
答えと解説
正解:2 マスと呼ばれる固体にしみ込ませたアセトンなどに、アセチレンを溶かし込んでいる
アセチレンは不安定で、そのまま高圧で容器に詰めると危険です。そのためアセチレン容器には、アセトン又はDMFをしみ込ませた固体(マス)が入っていて、アセチレンはこの溶剤に溶かし込んで充塡されます。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.2.6 各種ガス容器(2)アセチレンガスボンベ(アセチレンボンベの内部構造・容器と容器弁の図)(p.19)
問9工場や建設現場の中でガス容器を運ぶ方法として、正しいものはどれか。
- 短い距離なら、立てたまま傾けて回しながら運ぶ
- 容器弁の部分をつかんで持ち、引きずって運ぶ
- 床の上を横にして転がし、目的の場所まで運ぶ
- 固定用のベルトが外れていない、専用の容器運搬車で運ぶ
答えと解説
正解:4 固定用のベルトが外れていない、専用の容器運搬車で運ぶ
構内での容器の運搬は専用のボンベ運搬車で行い、固定用のベルトやロープが外れているものは使いません。引きずったり転がしたりしてはならず、手で運ぶときも容器のバルブ部分を持ってはいけません。立てたまま傾けて回す小距離の運搬も推奨されていません。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.3.2 ボンベ及びアセチレン発生装置(1)ボンベの運搬における注意事項(工場内等の運搬時)(p.23)
問10ガス溶接の点火と炎の調整の手順として、正しいものはどれか。
- 可燃性ガスのバルブを開いて専用の点火具で点火し、すぐ酸素のバルブを開く
- 酸素のバルブを先に開いて点火し、あとから可燃性ガスのバルブを開く
- 酸素のバルブだけを開いて点火し、炎が出てから可燃性ガスを足す
- 可燃性ガスと酸素のバルブを同時にいっぱいまで開き、そこに点火する
答えと解説
正解:1 可燃性ガスのバルブを開いて専用の点火具で点火し、すぐ酸素のバルブを開く
点火は、吹管の可燃性ガスのバルブを開き、溶接用ライターなどの専用の着火器具で火を付けてから、できるだけ速やかに酸素のバルブを開きます。可燃性ガスのあとに酸素という順でバルブを開け、炎が青白くなるよう合わせます。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.3.4 溶接器等(2)点火及び炎の調整(点火及び炎の調整)(p.30)
問11ガス溶接の作業を終えて火を消すときのバルブを閉じる順序として、正しいものはどれか。
- 先に酸素のバルブを閉じ、次に燃料ガスのバルブを閉じる
- 先に燃料ガスのバルブを閉じ、次に酸素のバルブを閉じる
- 酸素と燃料ガスのバルブを、同時に素早く閉じる
- 先に容器弁を閉じ、炎が自然に消えるのを待つ
答えと解説
正解:1 先に酸素のバルブを閉じ、次に燃料ガスのバルブを閉じる
消火するときは、まず酸素のバルブを閉じ、次に燃料ガスのバルブを閉じます。作業の途中で火が消えてしまったときも、この順で直ちにバルブを閉めます。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.3.4 溶接器等(3)溶接及び切断(消火方法)(p.34)
可燃性ガスと酸素の問題(9問)
問12作業場の床に深いピットがある場所で、酸素ホースの継手から漏れが続いていた。漏れた純粋な酸素がたまりやすい場所として、正しいものはどれか。
- 天井付近の、高い所
- 屋根裏などの上部の空間
- 壁の上のほうにある窓の付近
- ピットの底など、低いくぼみ
答えと解説
正解:4 ピットの底など、低いくぼみ
酸素は空気より重いため、純粋な酸素が漏れると、低い位置のくぼみなどに気づかれないままたまることがあります(補助教材2.1.2)。酸素の濃いところでは物が激しく燃えるので、ピットの中や近くで火気を使う前に漏れを止め、換気することが大切です。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.1.2 酸素の危険性(酸素の特徴、物質の発火温度の表、高圧の酸素による事故事例)(p.42)
問13屋外の作業場で、漏れたプロパンを吸い込んだ同僚が、めまいがすると言っている。周りの者の対応について、誤っているものはどれか。
- ガスのない、空気の新鮮な場所へ移す
- 呼吸しやすい楽な姿勢で休ませる
- 気分が悪いときは、医師に連絡する
- ガスのたまりやすいピットの中で休ませる
答えと解説
正解:4 ガスのたまりやすいピットの中で休ませる
モデルSDS(プロパン)は、吸入した場合は被災者を新鮮な空気のある場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休ませ、気分が悪いときは医師に連絡するとしています。症状が続くのを待ってから連絡するのではありません。プロパンを濃い濃度で吸うと、眠気やめまいのほか酸素欠乏のおそれもあり(補助教材2.2.2(2))、空気より重くて低い所にたまるので、ピットなどで休ませてはなりません。助けに入る場所にガスがたまっているおそれがあるときは、救助する者がまず自分の安全を確保します。
根拠:厚生労働省 職場のあんぜんサイト GHSモデルSDS(プロパン) 4. 応急措置(吸入した場合)/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.2.2(2) 危険有害性(有害性)(p.48)
問14厚い母材を長い時間続けて加熱していたところ、火口が非常に熱くなった。このまま作業を続けたときに起こりやすくなる現象として、正しいものはどれか。
- 逆火
- アンカット
- ブローアウト
- 出流れ
答えと解説
正解:1 逆火
補助教材2.4.2(2)は、逆火の原因の一つとして、火口の温度が上がるなどして燃焼速度がガスの流れる速さより速くなる場合を挙げています(1.3.4(3)の逆火の原因にも、火口の温度が上がったことがあります)。ブローアウトは、ガスの噴き出す速さが燃焼速度より速すぎて炎が火口から離れて消える現象で、向きが逆です。出流れは圧力調整器の弁の漏れ、アンカットはガス切断で吹管を動かす速さが極端に速くて母材を切り離せないこと(1.3.4(3))で、どちらも火口の過熱で起こるものではありません。火口が熱くなりすぎた状態で作業を続けないようにします。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.4.2(2) 逆火による爆発、火災の防止(逆火とその原因)(p.55)/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 1.3.4 溶接器等(3)溶接及び切断(溶接・切断作業中の注意事項、逆火の原因)(p.33)
問15溶接に使う溶解アセチレンのにおいについて、誤っているものはどれか。
- アセチレンそのものは、無色・無臭のガスである
- 法律で着臭剤を加えることになっており、家庭用ガスと同じにおいがする
- 容器に溶かし込むための溶剤や不純物によるにおいがある
- そのにおいは、家庭用のプロパンガスのにおいとはかなり違う
答えと解説
正解:2 法律で着臭剤を加えることになっており、家庭用ガスと同じにおいがする
補助教材 p.47 のガスの性質の表(2.2.2)によると、アセチレン自体は無色・無臭ですが、溶接用のものは容器に溶かし込むのに使う溶剤や不純物のために独特のにおいがあり、そのにおいは家庭用プロパンガスのにおいとはかなり異なります。アセチレンに着臭剤を加える決まりは書かれていません。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.2.2(1) 物理的性質等(ガスの物理的性質等の表)(p.47)
問16溶接に使うLPG(プロパン)の漏れを、においで判断することについて、正しいものはどれか。
- プロパンそのものに強いにおいがあるので、漏れれば必ず分かる
- LPGはどれも同じにおいが付けてあるので、においで必ず分かる
- においがしなければ、漏れはないと判断してよい
- 工業用には着臭されていないものもあり、においだけに頼れない
答えと解説
正解:4 工業用には着臭されていないものもあり、においだけに頼れない
プロパンそのものは無色・無臭のガスです(補助教材 p.47 のガスの性質の表、モデルSDS)。補助教材 p.47 のガスの性質の表は、一般家庭で使うプロパンと違い、工業用のLPGには着臭されていないものがあるとしており、作業場のLPGはにおいで漏れに気づけるとは限りません。漏れは石けん水などで確かめます。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.2.2(1) 物理的性質等(ガスの物理的性質等の表)(p.47)/厚生労働省 職場のあんぜんサイト GHSモデルSDS(プロパン) 9. 物理的及び化学的性質(臭い:無臭)
問17アセチレン、プロパン、水素の火災で、漏れを安全に止めることができ、訓練を受けて保護具を着けた者が安全を確保して消火にあたる場合に、使ってはならない消火方法はどれか。
- 小さな火災に、粉末消火剤を使う
- 棒状の強い水流を、直接かける
- 窒素や二酸化炭素などの不活性ガスを使う
- 大きな火災に、散水や噴霧水を使う
答えと解説
正解:2 棒状の強い水流を、直接かける
補助教材2.2.2(3)は、これらのガスの火災には粉末消火剤又は不活性ガス(窒素、アルゴン、二酸化炭素など)を使い、大火災では散水・噴霧水を使うとし、棒状注水は行ってはならないとしています(モデルSDSも同じ)。ただし、漏れを安全に止められないときは、炎だけを消すとガスが漏れ続けて爆発のおそれがあるので、消火せずに離れ、周りへの立入りを禁止します(モデルSDS)。消火は十分な距離をとり、空気呼吸器や耐熱の防護服を着けた者が行います。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.2.2(2)(3) 危険有害性・火災の場合の注意(p.48)/厚生労働省 職場のあんぜんサイト GHSモデルSDS(アセチレン) 5. 火災時の措置(消火剤、使ってはならない消火剤、特有の消火方法、消火を行う者の保護)
問18高い圧力のガスを詰めた容器やタンクが破裂した場合の危険について、正しいものはどれか。
- 爆風の圧力で、周りの建物などが壊れることがある
- 中のガスが少し漏れるだけで、周りに被害は出ない
- 破裂するのは可燃性ガスだけで、酸素の容器は破裂しない
- 容器が破裂しても、周りの人がけがをする心配はない
答えと解説
正解:1 爆風の圧力で、周りの建物などが壊れることがある
補助教材2.3.2は、高圧ガスの事故には噴出・漏えいのほか容器等の破裂・破損もあり、タンクの破裂による爆風圧で周りの建造物等が壊れた例も多いとしています。酸素のように燃えないガスの容器でも、高い圧力が詰まっているので、加熱されると破裂するおそれがあります(モデルSDS 酸素)。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.3.2(1) 圧縮されていることによる危険性(破裂事故の発生)(p.50)/厚生労働省 職場のあんぜんサイト GHSモデルSDS(酸素) 5. 火災時の措置(加熱により容器が爆発するおそれ)
問19屋外での作業や屋内の臨時の作業で、局所排気装置を設けることが難しいときのヒューム対策として、適切なものはどれか。
- 作業に合った呼吸用保護具を選び、正しい使い方を守る
- 屋外の作業なら、風で流れるので保護具は要らない
- 臨時の短い作業なら、ヒューム対策は何もしなくてよい
- 保護具は、作業者が好きなものを選んで着ければよい
答えと解説
正解:1 作業に合った呼吸用保護具を選び、正しい使い方を守る
補助教材2.4.2(5)は、屋外でアーク溶接を行う場合や屋内の臨時的な作業では局所排気装置などを設けにくいので、呼吸用保護具によって作業者が吸う空気中の有害物質の濃度を下げる必要があり、そのためには適切な保護具を選び、正しい使用方法を守らなければならないとしています。屋外や短時間の作業でも対策は要り、保護具は作業に合ったものを選びます。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.4.2(5) 金属ヒュームに対する対策(呼吸用保護具・防じんマスク)(p.59)
問20漏れた水素が空気と混ざり、燃焼範囲に入る濃さになったときの危険について、正しいものはどれか。
- 最小着火エネルギーが小さく、発火源をなくすだけでは防ぎきれない
- 空気より重く床にたまるので、床の近くの火だけ消せばよい
- 燃えにくいガスなので、静電気の火花くらいでは着火しない
- 最小着火エネルギーが大きいので、裸火がなければ燃えない
答えと解説
正解:1 最小着火エネルギーが小さく、発火源をなくすだけでは防ぎきれない
補助教材2.2.1(1)は、水素は着火に要する最小のエネルギーが非常に小さく、漏れて燃焼範囲に入る濃さになると、発火源を取り除くやり方では爆発を防ぎきれないとしています。水素は空気よりはるかに軽いガス(補助教材 p.47 のガスの性質の表のガス比重0.07)で、容易に発火します(2.2.2(2))。発火源の管理も続けたうえで、水素を漏らさないことが基本です。
根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.2.1 はじめに (1)燃焼の3要素と例外(p.44)/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.2.2(1) 物理的性質等(ガスの物理的性質等の表)(p.47)/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.2.2(2) 危険有害性(危険性)(p.48)
関係法令の問題(6問)
問21ガス溶断などの火気を使う作業場での火災防止について、安衛則第291条の定めとして誤っているものはどれか。
- 事業者は、火気を使用する場所に火災予防上必要な設備を設ける
- 作業従事者は、火気を使用する場所でみだりに喫煙等をしない
- 残火の始末は、使った者ではなく事業者が翌日まとめて行う
- 火気を使用した者は、確実に残火の始末をしなければならない
答えと解説
正解:3 残火の始末は、使った者ではなく事業者が翌日まとめて行う
安衛則第291条は、事業者は喫煙所やストーブその他火気を使用する場所に火災予防上必要な設備を設けること(第1項)、作業従事者はそれらの場所でみだりに喫煙、採暖、乾燥等の行為をしないこと(第2項)、火気を使用した者は確実に残火の始末をすること(第3項)を定めています。残火の始末は火気を使った本人の義務で、翌日に回すものではありません。ガス溶断では、スパッタや高温の母材が周りに火種を残すことがあります。
根拠:労働安全衛生規則 第291条第1項〜第3項
問22火災又は爆発の危険がある場所で作業を行うときの、安衛則第288条の定めについて、誤っているものはどれか。
- その場所に、火気の使用を禁止する旨の適当な表示をする
- 特に危険な場所には、必要でない者の立入りを禁止する
- 火気の禁止は作業者に口頭で伝えれば足り、表示は要らない
- 立入りの禁止は、見やすい箇所に表示する等の方法で行う
答えと解説
正解:3 火気の禁止は作業者に口頭で伝えれば足り、表示は要らない
安衛則第288条は、火災又は爆発の危険がある場所において作業を行うときは、その場所に火気の使用を禁止する旨の適当な表示をし、特に危険な場所には、必要でない者が立ち入ることを、見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止しなければならないと定めています。口頭で伝えるだけでは足りず、表示が必要です。
根拠:労働安全衛生規則 第288条
問23施行令第1条第1号のアセチレン溶接装置の説明として、正しいものはどれか。
- アセチレン発生器などで構成し、溶解アセチレン以外のアセチレンと酸素を使う設備
- 溶解アセチレンの容器1本と酸素の容器1本を、ホースで吹管につないだ設備
- アセチレンの容器を10本以上連結し、酸素と一緒に使う設備
- アセチレンと空気だけで金属を加熱する、酸素を使わない設備
答えと解説
正解:1 アセチレン発生器などで構成し、溶解アセチレン以外のアセチレンと酸素を使う設備
施行令第1条第1号は、アセチレン溶接装置を「アセチレン発生器、安全器、導管、吹管等により構成され、溶解アセチレン以外のアセチレン及び酸素を使用して、金属を溶接し、溶断し、又は加熱する設備」としています。溶解アセチレンの容器を使う設備はこれに当たりません。容器を連結した設備はガス集合溶接装置の定義(同条第2号)によります。
根拠:労働安全衛生法施行令 第1条第1号/労働安全衛生法施行令 第1条第2号
問24ガス溶接等の業務に使用するガス等の容器を設置し、使用し、貯蔵し、又は放置してはならない場所として、安衛則第263条第1号に定められていないものはどれか。
- 通風又は換気の不十分な場所
- 火気を使用する場所及びその附近
- 通風がよく、火気や易燃物から離れた涼しい場所
- 多量の易燃性の物を取り扱う場所及びその附近
答えと解説
正解:3 通風がよく、火気や易燃物から離れた涼しい場所
安衛則第263条第1号は、容器を設置・使用・貯蔵・放置してはならない場所として、イ 通風又は換気の不十分な場所、ロ 火気を使用する場所及びその附近、ハ 火薬類、危険物その他の爆発性若しくは発火性の物又は多量の易燃性の物を製造し、又は取り扱う場所及びその附近、を挙げています。通風がよく、火気や易燃物から離れた涼しい場所は、これに当たりません(容器の温度は40度以下に保ちます。同条第2号)。
根拠:労働安全衛生規則 第263条第1号
問25通風又は換気が不十分な場所で溶接・溶断などの火気を使う作業を行うとき、安衛則第286条で禁止されていることはどれか。
- 酸素を通風又は換気のために使用すること
- 換気扇を使って作業場の空気を入れ替えること
- 送風機で外の空気を作業場に送り込むこと
- 作業場の窓や出入口を開けて風を通すこと
答えと解説
正解:1 酸素を通風又は換気のために使用すること
安衛則第286条第1項は、通風又は換気が不十分な場所において、溶接、溶断、金属の加熱その他火気を使用する作業などを行うときは、酸素を通風又は換気のために使用してはならないとしています。第2項で労働者にも同じ禁止がかかります。酸素は自らは燃えませんが物が燃えるのを強く助けるので、酸素で換気すると酸素の割合が上がり、衣服などが着火しやすく激しく燃えるようになります(補助教材2.1.2)。
根拠:労働安全衛生規則 第286条第1項・第2項/厚生労働省 技能講習補助教材(ガス溶接) 2.1.2 酸素の危険性(酸素の特徴)(p.42)
問26ガス集合溶接装置の配管について、安衛則第310条の定めとして正しいものはどれか。
- 安全器は主管にだけ設け、分岐管には設けなくてよい
- 安全器は吹管の先端に1つ設ければ、配管には要らない
- 主管と分岐管に安全器を設け、1つの吹管について2以上にする
- 安全器は、使うガスがアセチレンの場合にだけ設ける
答えと解説
正解:3 主管と分岐管に安全器を設け、1つの吹管について2以上にする
安衛則第310条第2号は、ガス集合溶接装置の配管の主管及び分岐管には安全器を設けることとし、この場合において、一の吹管について安全器が二以上になるようにすることとしています。同条第1号では、フランジ、バルブ、コック等の接合部にガスケットを使い、接合面を密接させることも定めています。
根拠:労働安全衛生規則 第310条
正解数
0 / 26問 正解
- 設備の構造と取扱い:0 / 11
- 可燃性ガスと酸素:0 / 9
- 関係法令:0 / 6
点の低い科目の解説を読み直してから、もう一度解いてみてください。
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