アセチレンと酸素の性質と容器:色・口金・温度の決まりを条文で確認
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酸素と可燃性ガスの性質
| ガス | 色・におい | 空気と比べた重さ | 覚えること |
|---|---|---|---|
| 酸素 | 無色無臭 | 重い | 物を激しく燃やす。低い所にたまることがある |
| アセチレン | 無色。溶接用は溶剤や不純物のにおいがある | 少し軽い(約0.9) | 爆発範囲が広い。酸素なしでも爆発する |
| プロパン | 無色無臭 | 重い(約1.6) | 工業用には着臭の義務がない |
| 水素 | 無色無臭 | とても軽い(約0.07) | 容易に発火し、炎が見えにくい |
出典は厚生労働省の技能講習補助教材(ガス溶接)第2章です。
においで漏れを判断してはいけません。プロパンは工業用だと無臭のことがあり、酸素にはにおいがありません。漏れは石けん水などで調べます。
爆発範囲
可燃性ガスは、空気中の濃さが一定の範囲にあるときに爆発します。アセチレンはこの範囲がとても広いガスです。

下限の値が小さいガスほど、少し漏れただけで爆発する範囲に入ります。プロパンやブタンの範囲は狭く見えますが、下限が低く、空気より重くて低い所にたまるので油断できません。
容器の見分け方
容器保安規則第10条は、ガスの種類ごとに容器の色を決めています。

| ガス | 色 |
|---|---|
| 酸素ガス | 黒色 |
| 水素ガス | 赤色 |
| 液化炭酸ガス | 緑色 |
| 液化アンモニア | 白色 |
| 液化塩素 | 黄色 |
| アセチレンガス | かっ色 |
| その他の種類の高圧ガス | ねずみ色 |
LPG はこの表の対象外です。容器保安規則第10条第1項第1号のただし書で、塗色の定めが適用されません。補助教材の表では灰色とされていて、灰色の容器をよく見かけますが、色だけでガスを決めず、容器の表示を確かめてください。
中身のつくり
酸素は圧縮した気体のまま入っています。容器は高い圧力に耐えるため厚く、重いつくりです。補助教材では、通常の圧縮ガスの容器は14.7MPa以下で充てんされると説明しています。
アセチレンは不安定なガスなので、そのまま高圧で詰めることはできません。容器の中のマスと呼ばれる固体に、アセトンや DMF という溶剤をしみ込ませ、そこに溶かして入れます。これが「溶解アセチレン」です。
LPGは液体の状態で入っています。寝かせて使うと、液体が調整器へ流れて作動不良を起こすおそれがあります。
口金の違い
酸素の口金は右ねじ、可燃性ガスの多くは左ねじです。アセチレンの口金にはねじがなく、取付金具で押し付けて固定します。間違った調整器が付かないようにするしくみです。
アセチレン容器の肩には溶栓があり、補助教材によると105度以上で合金が溶けて、中のガスを逃がします。容器の破裂を防ぐためのものです。
容器の扱いの決まり
労働安全衛生規則第263条は、ガス溶接等の業務に使う容器について次のことを定めています。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 第1号 | 通風や換気の不十分な場所、火気を使う場所とその近くなどに設置・使用・貯蔵・放置しない |
| 第2号 | 容器の温度を40度以下に保つ |
| 第3号 | 転倒のおそれがないように保持する |
| 第4号 | 衝撃を与えない |
| 第5号 | 運搬するときはキャップをする |
| 第6号 | 使うときは口金の油類とほこりを除く |
| 第7号 | バルブの開閉は静かに行う |
| 第8号 | 溶解アセチレンの容器は立てて置く |
| 第9号 | 使用前または使用中の容器と、それ以外の容器の区別を明らかにする |
高圧ガスの側からも、一般高圧ガス保安規則第60条第1項第7号が、可燃性ガスの消費は通風のよい場所で行い、容器を40度以下に保つと定めています。
温度が上がると容器の中の圧力も上がります。夏の車内や日なた、ストーブのそばに置かないようにしましょう。
運ぶとき
補助教材は、構内では専用の運搬車を使い、引きずったり転がしたりしないよう説明しています。階段を使わず、エレベーターのある建物ではエレベーターを使います。圧力調整器を付けたまま容器を動かしてもいけません。
機器の使い方は吹管と圧力調整器、炎が戻る現象は逆火と安全器で説明しています。
まとめ
- 酸素は黒、アセチレンはかっ色。LPG に法令の塗色の義務はない
- 酸素は物を激しく燃やす。油を近づけない
- アセチレンはマスの溶剤に溶かして入れ、立てて置く
- 容器の温度は40度以下、転倒防止、運搬時はキャップ
- 漏れはにおいでなく、石けん水などで調べる
よくある質問
- 酸素の容器は何色ですか?
- 黒色です。アセチレンはかっ色、水素は赤色と、容器保安規則第10条で決まっています。
- ガスの容器の温度は何度以下ですか?
- 40度以下です。労働安全衛生規則第263条第2号に定めがあり、一般高圧ガス保安規則第60条第1項第7号でも可燃性ガスの消費について同じ温度が定められています。
- アセチレンの容器を寝かせてはいけないのはなぜですか?
- アセチレンは容器の中のマスにしみ込ませた溶剤に溶かしてあり、横にすると溶剤が漏れ出すおそれがあるためです。労働安全衛生規則第263条第8号で、溶解アセチレンの容器は立てて置くと定めています。
- アセチレンは酸素がなくても爆発しますか?
- します。厚生労働省の補助教材は、アセチレンは酸素がなくても爆発すると説明しています。