ガス切断・ガス溶接を無資格で行うと:ボルト1本でも対象になるか、会社と本人の罰則

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書類に署名する手元
Photo: Jakub Żerdzicki (Unsplash)

この作業は対象になるか

施行令第20条第10号の文言は「可燃性ガス及び酸素を用いて行なう金属の溶接、溶断又は加熱の業務」です。見分ける点は、可燃性ガスと酸素の両方を使うかと、相手が金属かの2つです。

現場の作業 技能講習の対象か
解体で鉄骨をアセチレンと酸素で切る 対象
固着したボルトをプロパンと酸素の炎で加熱する 対象
古い配管をガスで切り落とす 対象
酸素を使わないガストーチのろう付け 特に資格は不要と補助教材が説明
アーク溶接機での溶接 別の制度(特別教育)

燃料はアセチレンに限りません。容器の本数の条件もありません。

本人・会社・法人の罰則

可燃性ガスと酸素を使う業務は、労働安全衛生法第61条の就業制限の業務です(施行令第20条第10号)。

場面 条文 対象 罰則
資格のない作業員に切断をさせた 第61条第1項、第119条第1号 事業者 6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
資格がないのに自分で切断した 第61条第2項、第120条第1号 作業した人 50万円以下の罰金
法人の仕事として上の違反があった 第122条 法人など 各条の罰金刑

第122条は両罰の規定で、行為者のほかに法人にも罰金が科されます。実際の扱いは、事実にもとづいて労働基準監督署などが判断します。

切断できる人と年齢

労働安全衛生規則別表第三が定める、業務に就ける人は次のとおりです。

  • ガス溶接作業主任者免許を受けた者
  • ガス溶接技能講習を修了した者
  • その他厚生労働大臣が定める者

18歳未満は、講習に関係なくこの業務に就かせられません。根拠は年少者労働基準規則第8条第29号(可燃性のガスを取り扱う業務で、爆発、発火または引火のおそれのあるもの)です。圧縮ガスや液化ガスを用いる業務を挙げた第31号も関係します。

火を付ける前に確かめること

  1. 修了証:講習の名前がガス溶接技能講習か見る
  2. 携帯:修了証を持っているか。法第61条第3項の決まり
  3. 周り:火花の飛ぶ先の可燃物、通風、容器の置き場所
  4. 設備:容器を多数つないだ設備なら作業主任者の選任を確かめる

なくした修了証の再交付を待っている間は、業務に就かず、現場の責任者に相談してください。

ガス切断の火花は遠くまで飛び、火災やホースへの引火につながります。無資格の問題は罰則だけではありません。

講習は学科と実技の2日間が中心です。費用と取り方を見て、近くの講習所を探しましょう。

まとめ

  • ガス切断に時間や量の下限はない。ボルト1本でも対象
  • 無資格で切った本人は50万円以下の罰金
  • 切らせた事業者は6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
  • 法人にも第122条で罰金
  • 18歳未満はこの業務に就けない

よくある質問

ボルトを1本切るだけでも資格が要りますか?
要ります。施行令第20条第10号に、時間や量で除く定めはありません。可燃性ガスと酸素で金属を溶断するなら対象です。
切ったのが本人でも罰せられますか?
対象になります。法第61条第2項は資格のない人が業務を行うことを禁じ、違反は第120条第1号で50万円以下の罰金です。
修了証を家に忘れて現場に来ました。
法第61条第3項で、業務に従事するときは資格を証する書面を携帯しなければなりません。取りに戻るなど、持った状態で作業してください。
18歳未満でも講習を修了すれば切断できますか?
できません。年少者労働基準規則第8条第29号により、18歳未満はこの業務に就けません。