ガス溶接技能講習とアーク溶接の特別教育の違い:業務の範囲とどちらを先に取るか

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遮光面を着けて溶接する作業者
Photo: Christopher Burns (Unsplash)

違いの一覧

項目 ガス溶接技能講習 アーク溶接等の特別教育
対象の業務 可燃性ガス及び酸素を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱 アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等
根拠 法第61条、施行令第20条第10号 法第59条第3項、安衛則第36条第3号
制度 就業制限 特別教育
誰が行うか 都道府県労働局長の登録を受けた機関 事業者(外部の講習を使うこともある)
作業のときの携帯 修了証など資格を証する書面が必要(法第61条第3項) 法第61条第3項の対象ではない

条文は労働安全衛生法、同施行令、労働安全衛生規則で確かめました。

ガス溶接は「溶接」だけではありません。溶断と加熱も入ります。現場では溶接よりも、鉄骨や配管をガスで切る仕事で必要になることが多いでしょう。

作業の違い

補助教材によると、ガス溶接には次の特徴があります。

長所 短所
電源が要らず、設備が簡単 熱源の温度が低く、溶けるまでに時間がかかる
溶接棒なしで溶接できる場合がある ひずみが大きく、熱の影響の範囲が広い
有害な紫外線やヒューム、スパッタが比較的少ない 異なる金属どうしや厚板の溶接には向かない

溶接の主流はアークに移りましたが、切断ではガスが広く使われています。ガス切断は鉄系の材料なら厚い板でも切れるためです。

資格が要らない場合

補助教材は、酸素を用いないガストーチによるろう付けには、特に資格は必要ないと説明しています。施行令第20条第10号の業務が「可燃性ガス及び酸素」を用いるものだからです。

ただし、資格が要らなくても火を使う作業の危険は同じです。周りの可燃物の片付けなどは欠かせません。

どちらを先に取るか

今の仕事や、応募する仕事で使う方からが基本です。迷うときは次のように考えます。

  • 解体や設備の仕事で鉄を切る:ガス溶接技能講習
  • 製缶や鉄骨で溶接する:アーク溶接の特別教育
  • 両方ある現場:会社に順番と費用を相談する

ガス溶接技能講習は2日間で、自分で申し込めます。特別教育は本来、事業者が行うものです。個人で受けたいときは、外部の講習を探すことになります。

ガス溶接技能講習の費用は費用と取り方で説明しています。無資格のまま作業したときの扱いは無資格作業の罰則を見てください。

まとめ

  • ガスと酸素は技能講習、アーク溶接機は特別教育
  • 片方の資格で、もう片方の作業はできない
  • ガス溶接の業務には溶断と加熱も入る
  • 酸素を使わないろう付けは特に資格が要らない
  • 先に取るのは、仕事で使う方

よくある質問

アーク溶接の特別教育を受ければ、ガス溶接もできますか?
できません。アーク溶接等の業務は特別教育(安衛則第36条第3号)、可燃性ガスと酸素の業務は就業制限(施行令第20条第10号)で、別の制度です。
ガス溶接技能講習を修了すればアーク溶接もできますか?
できません。アーク溶接機を使う業務には、アーク溶接等の特別教育が必要です。
酸素を使わないトーチのろう付けにも資格が要りますか?
厚生労働省の補助教材は、酸素を用いないガストーチによるろう付けには特に資格は必要ないと説明しています。
プラズマ切断はどちらですか?
プラズマ切断は電気のアークで金属を切る方法で、可燃性ガスと酸素の炎を使いません。そのためガス溶接技能講習の範囲とは別です。特別教育の対象になるかは機械と作業で確かめる必要があるので、事業場の安全担当者か労働基準監督署に聞いてください。